「課長、私、バスもありますし、
一人で帰れますので…
失礼させていただきます」
課長に頭を下げ、
玄関へと向かおうと足を踏み出す
「石井くんっ」
うわっ?!
何故だか、腕を掴まれた
振り向いたと同時に
自分の靴のヒールが
片方の足を引っかけ
滑って
見事に転び…
「石井くんっ?!
おいっ?!
石井くんっ、起きろっ!!…っろっ!…っ!」
どうやら、
頭を?…打ったのか?…
課長の声が、
だんだんと遠くなり…
意識が薄れていった…
う…
私…こんなんで…
死んじゃうの…?
意識が遠ざかる中、
頭の隅で、考えた言葉だった…

