「じゃぁ…
今日は、ご足労かけましてありがとうございました
イイお返事を期待して待っています」
「こちらこそ、お忙しいところ
ありがとうございました」
お辞儀をして、書類をカバンに入れ
出口へ向かおうと歩き出した時…
「本多さん…
出口まで、ご一緒しましょう
俺も、本社に戻るので…
少しだけ、待っててください」
事務所へと引き換えし
アタッシュケースとスーツの上着を片手に
持って、またこちらに戻ってきた
出口まで
賑わう人々を避けながら
同じ歩幅で歩く…
同じ…というより…
課長は、私に合わせてくれてるんだろう…きっと…
「本多さん、近道…
行きますよ…」
ふいに、課長が私の腕をとり
出口から離れた方向へと導いた
「あ、あのっ?!」
私の声が聞こえたのか、聞こえないのか
課長は、どんどんと
木々が生え茂る散歩道のようなところへと入っていった
なんだろう…
すごく…懐かしい…

