ゆっくりと中へ足を踏み入れれば ベッドに横たわる人 点滴が何本もつけられ 頭や、腕や足には白い包帯が巻かれて… そんな姿が目に飛び込んだ瞬間 涙が溢れた 「なん…で…」 ベッドの傍に近づき 眠る人の顔を見つめる… 掛け蒲団から出ていた腕を触り 掌を両手で握る 握り返してくれるハズもなく… しばらく、そうしていた