芳樹くんも、一緒に生活をしだして
何がどう、変わったというワケではないけど

課長の様子が、少し変わった?
と思うのは、私だけだろうか…


芳樹くんは、
相変わらず、私に纏わりついてくる

それを、上手く交わしながら
なんとか、同居が出来て
それなりの毎日だった…


が…



出勤時間が迫り、
玄関へと急ぐ私のカバンの中から
急かすような携帯音が鳴り続けた


カバンから携帯を取り出せば
ディスプレイには
”さとみ”の文字…


「うー、なんだろ?こんな出がけに
出勤前にさとみがかけてくるなんて、
星羅や大輝のコトかなぁ…」


携帯を片手で開き、
通話ボタンを押し、耳に当てれば…



「今日子っ!!!

大変!! 大変なのよっ!!!!」



耳の鼓膜が破れるかと思うほどのさとみの声だった