この部屋の主は、
課長だから、私が口を出すのは
良くないとは思うんだけど…


洗い物を終えて、
キッチンから出て、
睨みあう2人の傍に行き…


「あの…」


2人の視線が、私の元へと移動した


「私が使ってる部屋、芳樹くんが使ってはどうかと…」


「えっ?!「はっ?!」」


喜ぶ芳樹くんの顔と、瞳が大きくなった課長の顔…


「山内くんっ?! そんなコト言ったら
君の部屋が、無くなるぞっ!」


「大丈夫ですよ、課長、まだ部屋残ってるじゃないですか…」


そう、課長の部屋の隣に、
物置きのような6畳ほどのスペースがあった

課長の私物やらが入ってたけど、
それを片付ければ大丈夫と判断した


私の荷物は少ないし、
上手く片付ければ
人ひとり寝るぶんには十分な広さ


「山内くんっ、あそこは、
俺の物置みたいなもんだぞっ、
それにしばらく掃除してないしっ」


課長が私の方へ近づき、
説得しようとしてるのがわかる