朝食を済ませて、
せめてものお礼にと、
キッチンで食器類を洗っていると…
なにやら、
課長と芳樹くんが、言い争いを始めていた
「だーかーらっ!
あのマンション、親父が勝手に解約しちまったんだよっ!
んでもって、俺は、もう住むトコねぇんだよっ!
頼むから、俺もココに置いてくれよっ」
両手を顔の前でピタリと合わせて、
課長に懇願している芳樹くん…
住むとこが…ない…?
お金持ちのボンボンなのに…?
「そんなこと、無理に決まってンだろっ?!
この部屋だって、
俺の部屋と、山内くんが使ってる部屋しかないんだしっ」
「そこを何とか頼むよっ!!」
尚も、課長に懇願する芳樹くん…
「まったくっ!
どうせ、オンナでも連れ込んで、
鉢合わせでもして騒ぎになったんだろっ?!」
両腕を組みながら、
呆れたように言う課長
「げっ?!」
え?!
そうなのっ?!
はぁー
まぁ、若いから…ねぇ…
「ったく! そうゆーコトだと思ったよ…」
頭を掻きながら、
深い溜め息を吐いた課長
こんな弟を持つのも大変だわね…

