ダイニングテーブルの椅子に座っていれば
トレイに朝食を乗せて
テーブルの上に、てきぱきとセッティングが始まる
ごはん、お味噌汁、焼き魚、卵焼き、ほうれん草のお浸し
見事な和食の朝ご飯が並んだ
そんな、いい香りにつられ、
芳樹くんもテーブルへと近づいた
「あれっ? 俺の分は?」
そう、テーブルにセッティングされたのは2人分…
「あ? お前、来るなんて聞いてなかったからな…」
芳樹くんの顔をチラと見て、
自分の席に着く課長
「げっ! マジかよっ!!
冷てぇなっ! それでもアニキかよっ!」
膨れつらで、課長を睨む芳樹くん
ちょっぴり、イイ気味…
なんて、思ったケド…
せっかくの美味しそうな朝ご飯だもの…
「ちょっと、突っ立ってないで座ったら?
私の分、半分あげるから…
あ、お茶碗とお箸は、キッチンにあるから
自分で持ってきてよ」
「うそっ! マジっ?! サンキューっ!
って、えっと…、俺、アンタの名前…聞いてなかったよな?」
「え?そうだった?
芽依よ、山内芽依」
「ふーん、芽依っていうんだ
じゃぁ、改めて、芽依、ヨロシクなっ!」
「う、うん、ヨロシク…」
そう言って
ニカッと笑う芳樹くん
なによ…
結構、素直そうなトコあるじゃない…

