「あ。しんたろ」


先輩が呟いた直後に、そのなにかは先輩に体当たりを食らわした。

…なにごとですか。


「痛い! しんたろ、なんだよ!?」


あたしの目の前で、見知らぬ男子生徒が先輩の背中に圧し掛かっている。


「やばい! 俺様ピンチ! つかなんでお前教室にいねんだよー千里の馬鹿! 英語のノート見せろ!!」

「いやだ」

「見せてくんなかったら今ここでお前にベロチューすんぞ」

「セクハラで訴える」

「あり? この子誰?」


突然、しんたろと呼ばれる男子生徒はあたしのほうを見た。