学校へ行くと、また校門に先輩が立っていた。

あたしを見つけて片手を上げる。


「おはよう」

「おはようございます」


昨日、泣き顔を見られたことを思い出すとあまり顔を合わせたくはなかった。

情けなくて。

そんなあたしとは対照的に、先輩の声は明るい。


「今日からモデルやってもらうから」


あたしは黙って頷いた。





「せんりーーー!!」


突然、響く大声。

昇降口からなにかが爆走してくるのが見えた。