それから5日ほど経って、エリカは退院した。




『明日からエリカと帰省するのよ』


電話越しにミカさんが言う。

地元でのエリカの喘息の様子を見るため、だそうだ。


もしもそれが上手くいったら、
引っ越しが決定事項になる。



「2人だけで大丈夫ですか?」

『大丈夫。ちょっと前まで住んでいたところだもの』

「あの、もしなにかあったら連絡ください。お父さんと駆けつけますから」

『ええ、ありがとう』



ミカさんの声は穏やかで安定していた。


これならたぶん、大丈夫。