「おかえり」


マンションに帰ると、美味しそうな匂いと篠宮先輩の声があたしを出迎えた。



小さなテーブルの上には食事が並んでいる。

ご飯と味噌汁とホイルの包み。

白い湯気がほかほかしてる。



「…あの、これは一体」


なんだか目がチカチカする。


「俺が作ったんだよ。これは鮭のホイル焼き。熱いから気をつけて」

「はあ…」

「材料は全部自分で買ってきたから。…米もないのは驚いたけど」


だって自炊しないし。
火とか包丁とか怖いし。