はぅ~…。



今すぐ抱きしめてぇ…。



「蘭子は帰ってよし」

「そうする。ごちそうさま、王子」

「お前は金払え」

「連れて来てやったのにそんな態度取っていいんだ~」

「チッ…。この腹黒が」

「じゃあね、姫」



早く帰れ、蘭子め。



そして姫は帰さない。



「送って行くから待っててくんねぇ?」

「ヤダ…ヤダヤダ…」

「なにげに頑固だな…。とにかくあと10分だから。待ってなかったら明日チューする…」

「うぇっ!?」

「じゃあ待ってなさい」



変な声出したぞアイツ!!



超カワイイっス…。



しかも顔真っ赤だ。



「もしかして彼女?」

「そうですよ~。超カワイイでしょ?」

「お人形さんみたいだね。そっか、王子様にはお姫様がいたのか~」



名前もそのまんまだけどな。



まぁあえて言わない。



だって騒がれそうだから。



窓際の席にちょこんと座りまだ顔が赤い姫におかしくなった。



カワイすぎっ…。