裏庭から出た時だった。



「情けねぇ面してんな、王子」

「佐和先輩じゃん!!久しぶり~!!」

「お前、天野姫と付き合ってんのか?」

「なにソレ…。先輩、姫狙い?」

「カワイイって噂だから顔見たらマジヤバかった…。回してくんね?」

「姫だけはムリ。他のと違うし。まだチューもしてない」

「ウッソ…。王子が!?」



そりゃあ姫だから…。



で、この人は俺が絶対勝てない唯一の先輩。



長い髪を結んでるのはチャームポイントだと豪語してる。



女遊びもケンカも派手にやる人。



「うわっ、なんかいる…。2年のヤツじゃん。お前らがやったの?」

「俺が、やったの。初日に集団フルボッコされたからお礼に一匹ずつ」

「相変わらず容赦ねぇな」



佐和先輩はたぶん有名人。



今じゃなにかと可愛がってもらってるから嫌な気はしない。



「今度飲みでも行くか」

「酒はいらん。ハタチになってからじゃないと逮捕されるぞ」

「お前ってそこら辺だけクソ真面目だよな…」



叔父さんの言い付けだからな!!