息子になって数日、以前と何等変わりない。



『叔父さんはやめろ。せめて親父って呼べ』



そう言われただけだった。



慣れないんだよ、叔父さん。



会社にいたら社長って呼んでもいいから楽だけど…。



「デザイン部はどうだ?」

「前に行ったとこと雰囲気が全く違う。そして皆個性的」

「次は販売してみるか?ショップで」

「それはヤダな~…。やれっつーなら仕方なくやるけど」

「じゃあやれ」



またリュウさんが社長の昼メシを運んできた。



あれ?



リュウさんがいるのに姫がいない。



「リュウさん、姫は?」

「ご実家に送りました」

「は…?」

「奥様にお友達をと社長がおっしゃったので」



じゃあ姫はあの女と会ってんのか…。



数回会った、親父の嫁。



一言で言えば、猫みたいな女だった。



初対面は一応メシを食おうと言われ、渋々帰った実家のキッチン。



下着姿に透けてるベビードールで迎えられ、どうしたらいいのかわからなかった。



『噂の王子?』

『まぁ…』

『ちょっと吐いて来る』



それが初対面。