目の前には奴の姿。
目の前、ほんとに目の前。
私の目には彼しか映っていない。
またドキッとした自分がいた。
少しでも動いたら唇が触れる。
奴はニヤリと笑っている。
「どーぞ」
奴は私に鏡を渡してきた。
自分の姿をうつし、鏡にうつるもう一人の鏡の世界の自分と目線をあわせた。
思わず自分の目を疑う。
私は自分の目を擦り、もう一度自分の姿を見た。
目を擦ってもさっきと、なにも変わりない自分と目があう。
な…な…なななななっ!
鏡の世界の自分が・・・・
「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁあああああーーっ」
屋上だけでなく、校舎にも私の声が響いていたらしい。


