さっきまで座っていた腰を、ゆっくりと持ち上げる。 あいつらにバレないように、なるべく無駄な動きをせず、俺は立ち上がった。 …まぁ、二人とも鈍感みたいだし、そんな必要ないかもしんねぇけど。 『……。』 美穂の無駄に高い声を背中に感じながら、俺は一歩一歩踏みしめる。 …つうか俺、美穂のこの声気に入らない。 無駄に高いところが耳に障るし、本来の美穂じゃない気がするから。