『…お前、裏金でも使ったわけ?』 「…なっ! 使ってないですっ!」 さすがに頭をカッとさせ、頬を膨らましながら、俺を睨みつける美穂。 でもやっぱり目が潤んでるから、迫力なんて一切ない。 …むしろその顔は、ある意味そそる。 「…頑張った、んですよ。」 シュン、と、声を萎ませて、伏し目がちに呟く美穂。 そんな美穂をイジメたい気持ちもあったが、想像以上にダメージを受けているようなので、ここら辺でやめてあげる。