会長から完璧に突き放されたように感じた、あの日。



あれから教科書を忘れることはあっても、借りるような勇気はさすがに存在しない。



これ以上会長から呆れられ、見放されるのが怖かったのです。




『……。』




ノートに並んだ数式と、会長のあの時の言葉。



“しばらく話しかけんな”

“教科書、1人でみていいよ”



会長の言葉は、数学の授業ぐらいわからない。



臭いかもしれませんが、数学よりもずっと、会長の気持ちは難しいのです。