「絶対可愛いよ? 可愛くなりたくないの?」 『……。』 結愛先輩の勢いのよさに、本当にどうしたらいいのかわからなくなる。 “可愛くなりたくないの?” わから、ないんです。 可愛くなりたいと言う感情が、よくわからない。 普通の女の子は、何のために可愛くなって、何のために可愛くなりたいの…? 「……あ。」 そう結愛先輩が呟いた瞬間、鳴り響いたのは授業の前の予鈴。 勝手に前の席に座っていた結愛先輩は、慌ててその場に立ち上がります。