「ちょっと、動かないで。」 会長の声が、すぐ近くで響きます。 多分、それはきっと、ほんの短い時間なはずなのに、今の私にはとてつもなく長く感じる。 早く、離れてほしい。 だけど、離れてほしくない。 自分自身よくわからない感情が、私のなかに渦巻いているのです。 「…取れた。」 だけど本当は、離れてほしくなかったのかもしれない。 「……ホラ、髪の毛。」 『……っ。』