私が会長に向けていた視線を、マグカップに向けた直後でした。 『……っ』 テーブルに置いていたはずのマグカップが宙に浮いていて。 …いや。そのマグカップは勝手に浮くはずもなく、会長の綺麗な指先に持ち上げられていました。 『……。』 ついに、会長があの砂糖たっぷりのコーヒーを飲むんだ。 そう思うと、さっきより凄い速さで心臓が鳴り響きます。 早くコーヒーを飲んでほしいのに、ほしくない。 よくわからない心情。