ドライブ当日。

綾香は部屋で戦っていた。
服が決まらないのだ。
ワンピースにするかパンツにするか…
夏だしワンピース?
でも車だから…

「ああっ!時間になっちゃう〜!!!」



結果。
5分遅刻。
結局ワンピースにした。
裕二は「遅刻はよくないよ」と怒っている。
「ごめんなさい…」
と謝るが車内は暗〜くなる。音楽だけが楽しそうだ。


あぁ、やっちゃった。
私が会いたいて誘ったのに遅刻なんて最低だよね。
服なんて気にしてないかもしれないし…

と、泣きそうになっていると裕二がぽつりと言った。
「ワンピース可愛いね」
綾香は驚きつつ笑顔になる。
「うん、これお気に入りなんだ」
「そっかぁ」


ホッと胸を撫で下ろす。

「遅刻ごめんね。気を付けるね」
と顔色見ながら言うと
「俺もごめん。生徒じゃないもんな」
裕二は中学の歴史の先生なのだ。
だからか、ピシッとしていることがある。

車内は明るくなった。
綾香には夜から朝になった位に明るくなった感じだ

「どこに行くの?」
と聞くと
「生徒のいないところ」

やっぱり見られるの嫌なのかなぁ?

車はスイスイと走って行く…