綾香はパソコンの前でボーッとしている。

書類でパコンとぶたれる。振り返ると裕二と会わせてくれた先輩川口だ。
「仕事中にボーッとしない!」
「あ…すいません…」
綾香の横に座り込む。
「昨日何かあった?進展した?」
どう説明していいのかわからず「いやぁ」が精一杯だった。

よくよく考えたけど「付き合って」とは言われてない。じゃあ、あれは何のキス?


脳細胞を総動員させても恋愛音痴にはいっこうにわからない。

「ふんがーー!!!」
と唸ってしまう。

川口に
「綾香うるさい!!」
と怒られる。



昼休み思い切ってメールを裕二にしてみる。

「また会いたいです」

この一言が精一杯。
これでも考えに考えたのだ。

「キスの意味はなんですか?」
とか
「会ったら好きになりました」
とか…

こういう時ってどうしたらいいの〜?
綾香はがっくりしてあの一言メールにした。

すると返事がきた。
「ドライブは?」
ホッとして是非!!と返事をした。




この展開は普通なのか早いのか遅いのかすらわからない。


でも綾香にしては頑張っているんだが…
こんなトキメキ、久しぶりだし…
最後は○年前だ。
あのときは若かったから突進したけど今は二十歳。大人だし、突進は出来ないよね…