「あ、ブレスレットしてる」
裕二が気がつく。

ブレスレットを見ながら「あ、うん」と返事。

「ずっとしてなかったから気に入らないのかと思ってた」

綾香は慌てて

「ううん、違うよぉ。切れちゃったら嫌だなって思ってつけてなかったんだけど、やっぱり嬉しいからつけようと思って」

裕二がちょっと戸惑いながら

「そ…そっか」

と言った。ちょっと赤くなっている。

「?どうしたの?」

「ん?いや。」

綾香って自分が何言ってるのか分ってないんだなぁ。。
会いたいとか嬉しいとか、人が聞いたらのろけって思われるぞ。大丈夫かなぁ?

と心配していた。

綾香は裕二の心配をよそに嬉しそうにケーキを食べている。

「綾香(笑)口にクリームついてる」

と言いながらそっとキスをした。

綾香は止まってしまった。真っ赤だ。

「何か、果物の味がする」

平然と言う裕二に綾香はぼんやりとしながら

「あ、チェリーの匂いのグロスで。。」

何?今。。キスされた?

あれ。。。?生クリームは?


「そうなんだ。綾香、食べな?」

と促される。

「あ…はい」

綾香は真っ赤になりながらもくもくとケーキをほおばった。