診療所を出た後、あたしたちは鳥海家へと向かった。
仁藤から鳥海夫妻は留守だと聞いていたが、達郎が家を見てみたいと言い張ったからだ。
こういう時、達郎は何を言っても聞きはしない。
お目付け役としては、勝手なことをされるぐらいだったら、付いてった方がマシってなもんである。
「本当に隣あってるんだな、この2軒」
鳥海家と、仁藤の診療所兼居室を見ながら、達郎は言った。
確かにと思った。
垣根ひとつ隔てた距離しかない。
「9月7日の午前8時過ぎから正午の間に、事件はここで起きたんだよな」
「そうよ」
「なのに誰もその気配には気付かなかった。それっておかしくないか?」
この家の距離を見れば確かにそう思う。
「でもその事は、仁藤だけじゃなくて、出入りしてた患者たちも証言していることなのよ」
「そう。だから9月7日には何も起こらなかったんじゃないのか?」
「え!?」
あたしは達郎の言ってる意味がわからなかった。
仁藤から鳥海夫妻は留守だと聞いていたが、達郎が家を見てみたいと言い張ったからだ。
こういう時、達郎は何を言っても聞きはしない。
お目付け役としては、勝手なことをされるぐらいだったら、付いてった方がマシってなもんである。
「本当に隣あってるんだな、この2軒」
鳥海家と、仁藤の診療所兼居室を見ながら、達郎は言った。
確かにと思った。
垣根ひとつ隔てた距離しかない。
「9月7日の午前8時過ぎから正午の間に、事件はここで起きたんだよな」
「そうよ」
「なのに誰もその気配には気付かなかった。それっておかしくないか?」
この家の距離を見れば確かにそう思う。
「でもその事は、仁藤だけじゃなくて、出入りしてた患者たちも証言していることなのよ」
「そう。だから9月7日には何も起こらなかったんじゃないのか?」
「え!?」
あたしは達郎の言ってる意味がわからなかった。