あたしはKitKatを取り出すと、助手席に放り投げた。
やがてガサガサと包装を破る音が聞こえてきた。
無言になったところを見ると、機嫌は直ったようだ。
甘党の扱いは楽でいい。
「ん?」
しばらく走ったところで達郎が訝しげな声をあげた。
「どうしたの」
「あれを見ろよ」
あたしの問い掛けに、達郎は前方を指さした。
車のスピードを緩めながらそこを見ると、道端に紺色の物体が転がっているのが見えた。
車を停めて外に出る。
小降りだった雨は霧雨に変わっていた。
「寝袋だな」
物体、もとい寝袋の脇に屈み込んだ達郎が、黒い絹の手袋を取り出しながら言った。
寝袋のチャックは一番上まで上がっている。
表面は雨で濡れていた。
だいぶ前からここにあったようだ。
「あたしが開けるわ」
あたしは捜査用の白手袋をはめた。
刑事の勘が、思い切り働いている。
あたしは寝袋のチャックに手をかけると、ゆっくり引き下ろした。
やがてガサガサと包装を破る音が聞こえてきた。
無言になったところを見ると、機嫌は直ったようだ。
甘党の扱いは楽でいい。
「ん?」
しばらく走ったところで達郎が訝しげな声をあげた。
「どうしたの」
「あれを見ろよ」
あたしの問い掛けに、達郎は前方を指さした。
車のスピードを緩めながらそこを見ると、道端に紺色の物体が転がっているのが見えた。
車を停めて外に出る。
小降りだった雨は霧雨に変わっていた。
「寝袋だな」
物体、もとい寝袋の脇に屈み込んだ達郎が、黒い絹の手袋を取り出しながら言った。
寝袋のチャックは一番上まで上がっている。
表面は雨で濡れていた。
だいぶ前からここにあったようだ。
「あたしが開けるわ」
あたしは捜査用の白手袋をはめた。
刑事の勘が、思い切り働いている。
あたしは寝袋のチャックに手をかけると、ゆっくり引き下ろした。


