「事件があった日は何をしていたんだ」
「9月7日は午前8時から正午まで診察にあたっていたそうよ」
このことはその日訪れた患者たちからも裏付けを得ている。
「40世帯しか住んでない集落の診療所に、ひっきりなしに患者が訪れてたのか?」
「お年寄りの多い集落らしいからね」
長生きすれば、体のあちこちにガタがくる。
診察にかこつけて、世間話をして帰っていく面々も多いらしい。
「仁藤も、多くの患者たちも、怪しい物音や不審者には気付かなかったと証言してるわ」
「そうか」
最初から期待してなかったのか、達郎の返事はあっさりしたものだった。
「息子夫婦の行動は?」
「9月7日は午前8時頃に家を出てるわ」
「それは確かなのか」
「息子夫婦はいつも仁藤の診療所を訪れて、父をよろしくお願いしますと挨拶してから店に向かうそうよ」
7日の朝もそうだったと仁藤は証言している。
達郎は唇を尖らせた。
考え事をする時の癖だ。
「9月7日は午前8時から正午まで診察にあたっていたそうよ」
このことはその日訪れた患者たちからも裏付けを得ている。
「40世帯しか住んでない集落の診療所に、ひっきりなしに患者が訪れてたのか?」
「お年寄りの多い集落らしいからね」
長生きすれば、体のあちこちにガタがくる。
診察にかこつけて、世間話をして帰っていく面々も多いらしい。
「仁藤も、多くの患者たちも、怪しい物音や不審者には気付かなかったと証言してるわ」
「そうか」
最初から期待してなかったのか、達郎の返事はあっさりしたものだった。
「息子夫婦の行動は?」
「9月7日は午前8時頃に家を出てるわ」
「それは確かなのか」
「息子夫婦はいつも仁藤の診療所を訪れて、父をよろしくお願いしますと挨拶してから店に向かうそうよ」
7日の朝もそうだったと仁藤は証言している。
達郎は唇を尖らせた。
考え事をする時の癖だ。


