俺は、逃げてないかと思いつつ事務所に向かう。 でも、それは考え過ぎで。 彼女は、おとなしく待っていた。 「逃げて帰ったかと思ったよ。」 「逃げてもすぐ捕まるから。」 「どういう意味だ。」 「わたし、帰る所寮しかないから。」 俺は、昼間に聞いた話しを思いだした。 彼女がこの仕事をしてる理由。 それは、生きていくため。 自分の力で生きて行くため。