雪花-YUKIBANA-

「さてと。そろそろ仕事に行く準備をしなくちゃ」

「……ねえ拓人」


ん?と僕は首をかしげる。


「拓人さ、ちゃんと覚えてるよね?」

「何が?」

「この同居の、一番大切なルール」

「ああ」


そのことね。


僕はポンと手のひらを打つと、大きくうなずいた。


「もちろん覚えてるよ」

当然だろ、と僕は言った。

「安心して。変な下心は一切持たないから」



――だってそれが、


“兄妹”である僕らの、

ふたり暮らしの条件なのだから。






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