【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

キヨちゃんはギャーギャー騒ぐ私達をフォークをくわえ、大きな灰色の瞳で見ている。



「かじはらあさひ、さん付けは、や。」



そしておもむろに、そんな言葉を口にした。



旭は一瞬キョトンとしたけれど、人懐っこいその笑顔をキヨちゃんに向ける。



「そうだよね!友達、なんだもんね!さんはおかしいよね?」



「ん。ともだち。」



キヨちゃんも、旭に向けて滅多に見せないとろけるような笑顔を返す。



綺麗過ぎるその笑顔に、旭はじんわり顔を赤く染める。



その微笑ましい状況に、私は…なんかもやもや。なんでだ?