【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

もちろん、目覚めてからしばらくは身体も動かずろくに喋ることも出来なくて、連絡なんか無理だったけど。



でも、旭はずっと私を心配してくれていたんだ。お母さんに頼むなり何なりが当たり前だよね…。



泣きそうになるのを我慢して、目の前で泣いて震える旭の背中を見つめる。



張り詰めた雰囲気の中、黙って一部始終を見ていたであろうキヨちゃんが、旭の隣に立って、女子達に言った。



「今、かじはらあさひの気持ちが分からない奴がいるなら、クズ以下だ。人間を名乗る資格なんかない。」



キヨちゃんにしては長い長い言葉。キヨちゃんが怒っているのは、放つオーラが柔らかくないことで分かった。