【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

店員さんの言う通り、キヨちゃんはピアスのコーナーで幸せそうにそれらを眺めていた。



「きーよちゃん!旭とカゲ、向こう側のお店で待たせてるから、行こう。」



声で私の存在に気付いたらしいキヨちゃんはこちらを向く。



「まって。ピアス、買う、から。」



キヨちゃんの返答に軽く頷き隣に立つ。すると、キヨちゃんは二つのピアスを私に見せた。



同じリング形の小振りなピアスで、一つは水色のストーン、一つは薄紫色のストーンが埋まったものだ。



キヨちゃんってこういう小物を選ぶセンスが素敵だと思う。