【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

「夢じゃないよ。私はいる。ここにいるよキヨちゃん!消えたりなんかしないよ…!」



そう言うのが精一杯で、それ以上なんか浮かばなかった。



強く抱きしめていたはずなんだけど、私の体はキヨちゃんによって引きはがされる。



「みー…?夢、じゃなくて?」



「うん。お見舞いに来たの。」



私の言葉に、キヨちゃんは下を向いて小声で声を絞り出す。



「ごめん。」



そのごめんは何に対して?キス?それとも無意識に言ったこと?



「怒ってないよ。…だけど、心配だよ。キヨちゃん、お願い…。言える範囲でいいから、さっきの言葉の真意を教えて?」



キヨちゃんは何も答えない。ずっと下を向いたまま。