【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

だけど、私の手は逆にキヨちゃんの手に取られ、強い力で引っ張られる。



私はキヨちゃんの上に覆いかぶさった状態だ。



「みぃ…。」



顔を動かしてキヨちゃんの顔を確認すると、目が据わっていない。意識がしっかりしてないのかな。



「ゆめ、の、中、くらい。」



いつも以上に途切れ途切れの言葉を発すると、何も考える余裕もないうちに、目の前が天井になった。



キヨちゃんはどうやらこれが夢だと思っているみたい。



キヨちゃんの部屋、キヨちゃんのベッドの上、私に跨がるキヨちゃん。



視覚が、嗅覚が、キヨちゃんでいっぱい。