【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

「あんなことがあったから、もう大切な人はいらないみたいなこと言ってたけど、友達が出来て嬉しいのよ。」



「…あんな、こと?」



お母さんは私に尋ねられてハッと口に手で蓋をした。



「ごめんなさい。聞かなかったことにしてほしいな。」



「はい。分かり、ました。」



キヨちゃんがこの間言ってたことに関係することだろうけど、お母さんに聞くなんてダメだ。



気にならないと言うと嘘になるけれど、私は素直に返事をした。



すると、安心した顔の微笑みが帰って来た。