【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

先を歩くキヨちゃんに、私はふと思う。



キヨちゃんが廊下で待とうって言ったのは、きっとこうなるのが予想出来ていたからだ。



いつからここまで予想出来てたのかな?もしかして、かなり早い段階から…?



そう思うと、キヨちゃんって相当な洞察力だと思う。



それか、恋する気持ちを良く分かっているかどっちかだよ、ね…?



私はキヨちゃんの背中に向かって、無意識のうちに問い掛ける。



「キヨちゃんはさ、旭とカゲみたいに、どうしようもなく好きな人が、いるの?」



キヨちゃんはその言葉に立ち止まり、私をその灰色の瞳で見据えた。