【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

カゲは背中しか見えないけど、それでも穏やかなオーラを身に纏っている。



旭に近づくと、そっと旭の頭に手を置いた。



「や…優しくされたって、あんたなんか好きにならないから。」



「ふふ。良ーよ。俺が勝手に旭を好きなんだから。迷惑?迷惑じゃないなら、これからも勝手に好きでいさせてな。」



カゲの優しさが溢れる言葉に、私は頬が緩む。



「みー、帰ろ。」



「うん。」



これ以上ここにいてもしょうがない気がしてたから、キヨちゃんの言葉に頷く。



この先旭がカゲを好きになる保証なんかないけど、何故か私は安心した気持ちになった。