【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

一人悶々と悩んでいると、放課後で静かになった廊下の向こうから大きな足音が響く。



「あ、旭?」



それは間違いなく旭なんだけど、旭は私達に目もくれず、教室の中へ飛び込んで行った。



私はそんな旭が心配で教室へ入ろうと立ち上がる。



「みー。」



そんな私に、キヨちゃんが止めるような声で呼び掛けた。



一瞬立ち止まった私の代わりに教室に入って行ったのは…



「か…カゲ。」



カゲはまっすぐ、旭のいる教室だけを見据えて入って行く。