【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

「突然じゃないよー。夏休み前から好きだったんだから。」



「んー…そっか。ねえ、旭はどこが好きなの?」



完全に恋する乙女モードの旭に私が聞くと、途端に目を輝かせる。



「顔は普通だけど、良く笑うし気配り出来るし、一回、雨で制服が濡れちゃった時、ジャージ貸してくれたし。」



こんなに饒舌になるってことは、ホントに好きなんだろうな。



微笑ましく聞かなきゃいけない場面なんだけど、やっぱりカゲの存在がそうはさせない。



顔では笑ってるけど、なんだか、微妙な気持ちだよ。



カゲだって良く笑うし気配り出来るよ、なんて言葉を飲み込むだけで精一杯な私は、幼なじみとしてやな奴なのかな?