「キヨちゃんー。私って、どうすればいいのかな。」 穏やかに陽射しが差し込む昼休みの第三音楽室。 今日は旭が体育委員で呼ばれ、カゲは部活で集まっているから私とキヨちゃんの二人だ。 私はお母さんお手製の玉子焼きをもぐもぐと食べ、キヨちゃんの演奏を聴く。 キヨちゃんはイチゴと生クリームのフルーツサンドをぺろりと平らげてコントラバスを弾いていたが、私の言葉に手を止める。 「ことらは、かじあさのこと、分かってる。」 キヨちゃんは、子供に言い聞かせるような優しい声色で言った。