【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》




「ああ……眞木さんねえ。」



昼休み。旭に無理矢理女子のグループに引っ張られて、私は旭と私を含む7人で弁当を広げてる。



「なんでクラスメイトの男子なのに“さん”なわけ?」



「当たり前じゃん!だって、あの人一個ダブってて先輩なんだよ。」



私の記憶だと、滅多に人の陰口みたいなことを言わなかった旭が、コソコソと窓際の席を見ながら小声で話す。



話の対象者である眞木君は、かわいらしいイチゴサンドを食べている。



「噂によると、暴力事件を起こして学校退学になって、この高校にはコネで来てるらしいよ。理事長の息子らしいから。」



全くどこ情報だ。ミーハーだな。