【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

その男の子は、私の左隣にある、教室の一番隅っこの席にふにゃっと座る。



なんだろうこの教室の変な空気。



私はちらりと隣を盗み見る。すると、向こうも私のことをじっと見ていた。



多分、見知らぬ人間が隣にいるのが疑問なんだと思う。



「どーもー。今日が登校初日の幽霊クラスメイトだよー。」



私はそんな視線に簡単に答え掌をひらひらとすると、彼は柔らかく目を細めて前を向いた。



相変わらず、この子が来てからの教室は変な空気。なんか気持ち悪いな。