連れてこられたのは、
屋上だった。
「ここで、まえはよくお昼たべましたよね?」
「そうだね。」
大橋くんへの罪悪感は、まだすべて消えたわけじゃないみたい。
そりゃ、そうだよね。
そんなにすぐに消えちゃったら失礼だもんね。
「先輩!」
「ん?」
「そんな顔してると、また俺が先輩のこと奪っちゃいますよ。」
大橋くんは悪戯っぽく笑って頭をなでる。
この人、ホントに優しいなぁ。
「奪われないもん!!」
大橋くんの優しさに答えたつもり。
「残念ですね。」
落ち込んだふりをする。
ごめんね。
ありがとう。
何度言ってもたりないよね。
あたしは、この人に会うたびに思うんだろうな。

