「杏里は・・・
なんでも喜ぶと思うよ?
てか、逆にものは、なにもあげないっていうのもいいかも。」
「えぇ!?
じゃあ、誕生日を祝わないってことですか?」
それは、だめなんじゃ・・・・
「ちがうよ!!
言ったでしょう?
"ものは"あげないってこと。」
もの・・・・??
「つまり、時間をあげるの!
杏里が楽しくって喜ぶような
一生忘れられない時間を、遼くんが作ってあげるの。」
時間を、つくる・・・
「杏里さぁ、今までいろんな男の子からプレゼントもらってた。
もらうたびに、すごく喜んでたよ。
でもね、だれになにをもらったか
全然覚えてないの。
さみしいでしょ?そんなの。
数はたくさんあっても、質がないの。
質って、安いとかそういうことじゃなくてね。」
「はい。」
「きっと、遼くんからもらったものなら、
杏里は一生覚えてると思う。
けど、遼くんは他の男の子たちとは違うでしょう?
杏里の彼氏なんだから。
はじめて、杏里が好きになった人なの!」