段々苛々してくる。 「なぁ。」 優しい声と共に雪比良がしゃがむ。 「これやるよ。」 その手には、さっきすくった金魚たち。 「…キンギョ!!」 わーい!!とまたしても煩い声で、お礼を言わずに人混みに消えてく。 ガキってなんであんなに感情豊かなんだろう… 「カッコイイ、サカエオニーチャン。」 「超棒読みなのが癪に障る。」 「顔が般若みたいだよ、栄クン。」 からかってみるけど、本当は少し尊敬した。 キミは本当に優しい。 「あ、分かった!」 何が?と顔で返される。