雪比良の部屋には贅沢なことにテレビがある。 あと、ベッドと低めのテーブルと勉強机と本棚。 あたしの部屋よりシンプルな気がする。 「音楽聞いて良い?」 「ん。」 短い返事。 CDプレイヤーに、置いておいたあたしのCDを突っ込む。 流れてきたのは結構昔のバラード。 シリウスはこの音が嫌いらしく、部屋に入ってこない。 雪比良に視線を投げた。 「なんだよ?」 「なんだろう?」 「意味わかんねえ。」 呆れ笑われ、テーブルに頬杖をついている。 「楽しい?」 さっきから質問ばかりするあたし。