透子はそう吐き捨てて、校舎の方へ歩き出す。 やっと…とあたし達も続こうとした。 途端、ジャリッと砂と靴の擦れる音が聞こえて目を疑った。 「無理矢理にでも奪ってやるよ。」 …アキヨシが無理矢理に透子にキスをしている。 それに呆然となって、立ち止まる。 けれど一瞬で透子は軽そうな足を曲げて膝でアキヨシの鳩尾を蹴った。 「痛そー…。」 あたしは感想を述べる。 さっきよりも酷い形相をした透子は、すぐにこっちを見て顔面蒼白になる。 そして、あたし達を置いて校舎へ走って行ってしまった。