白地に青のストライプの入ったYシャツと同系色のネクタイ。
黒い革靴は手入れが行き届いていて艶やかに光っている。
別に目を引くような服装じゃない。
どこにでもいる電車に乗った若いサラリーマン。
だけど、綺麗な二重の目とキリッと結んだ薄い唇。
正面から彼の顔を見てみたいと思っていた私の願いが神様に届いたのだろう。
『次は××駅』
アナウンスに彼の意識が戻ってきたようで、手に持っていた上着を持ち直すと。
――ドクン……ドクン……
一瞬、彼の綺麗な目が私を捉えた。
――ドクン……ドクン……ドクン……
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