「まぁ、今日はお前達が挨拶に来るって言うのは分かってた。だから……」



兄は少し顔を赤くして、ポリポリと人差し指で頬を掻いている。



「お兄ちゃん?」


「俺もお前達に紹介したい人がいるから。駅まで迎えに行ってくる。夕飯は4人で食べようか」


「え?そ、それって……」


「俺もいい年だし、そろそろ身を固めようと思ってたんだ。だから身内のお前達にもちゃんと紹介したいと思ってな」



照れたように頭を掻きながら「じゃあ迎えに行ってくるから」と言ってリビングから出て行った。



「……」


「……」



残された私達はしばらく無言で。