この世で2人しかいない兄妹の兄に拓海を受け入れてもらえた事は私にとってこれだけ衝撃を受けるとは思っていなくて。


思わず首を縦に動かしていて。



「ありがとうございます……お義兄さん」



拓海も同じ事を思ったのだろう。


頭を下げながら言った言葉は微かに震えていた。



そんな私達に兄は穏やかな笑顔のまま……


ではなかった。



「じゃあ俺はちょっと出掛けるから」


「……は?」



徐に立ち上がった兄に、驚いて目を見開いた。


今日は私達が来るって言ってたのに?


出掛ける?



さすがに兄だけあって、私の表情を見て何が言いたいのか気付いていて。